「人間の安全保障」は、一人ひとりの個人の保護と自立のための能力強化に重点を置いた人間中心の視点に立ったアプローチであり、IOMは人身取引対策、復興や平和構築に関連した避難民への支援、移民の保護と能力強化、移住問題における国際・地域協力を通じて、「人間の安全保障」の理念の実践を進めています。

「人間の安全保障基金」は、1999年3月に日本政府の主導により国連に設置された信託基金ですが、IOMは他の国際機関と協力して実施している以下のような活動に対し、同基金の支援を受けています。

モルドバ

モルドバ キシニョフの被害者支援センターではまず被害者への心理カウンセリングを行う (イメージ)© IOM Moldova 2008


特に女性に対する人身取引と家庭内暴力に対処する活動を、国連開発計画(UNDP)、国連人口基金(UNFPA)、欧州安全保障・協力機構(OSCE)と共同で実施しています。被害者を直接支援しながら、同時に国内の支援ネットワークの強化を図り、人身取引や家庭暴力についての啓発活動を行っています。

タイ

移住者とその家族の健康状態改善のためのプロジェクトを実施しています。世界保健機関(WHO)、及びタイ政府保健省と協力して実施している事業です。
ラノーン県及びサムットサコーン県は海沿いの海産物加工業などが盛んな地域で、多くの不正規移民が暮らしています。そのほとんどはミャンマー出身です。タイの健康保険制度に加入していない移民も多く、保健サービスへのアクセスの改善が必要とされています。この事業では、移民を対象とした移動クリニックの運営や予防接種、啓発活動の実施、政府機関のキャパシティ・ビルディングを行っています。
タイ 移民の子どもたちにポリオの予防接種を行う © IOM 2008