■イラク人道復興支援−ニュース 2007年3月■

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- イラク社会の安定に向けて -

IOMの人道支援に
日本の援助

IOMは2003年より、イラクでの支援活動に当たっています。国連やNGOなど他の援助団体とも協力し、現在は特に国内避難民支援、保健医療に関する支援、国境管理他に関わる政府機関への支援などの分野で活動しています。
© IOM 2007

2007年2月には、IOMがイラクで実施している人道復興支援に対し、日本政府から2,100万ドルの援助が決定しました。IOMと日本政府が推進している、個人の保護と自立のための能力強化に重点を置いた「人間の安全保障パートナーシップ」に基づき、以下の活動を日本の支援で実施します。
  • 国内避難民と受け入れコミュニティへの支援
  • 人間の安全保障及び安定化支援
  • 南部における国境管理に対する支援

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国内避難民と受け入れコミュニティへの支援

IOMが配布した支援物資パッケージを
受け取った国内避難民の女性 © IOM 2007

2006年2月のサマッラー聖廟爆破事件を機に宗派抗争が激化した結果、イラク全土で新たに約29万人が避難生活を余儀なくされています。自身の所属する宗派が多数を構成する地域で、親類などを頼って避難生活を送っています。イラクではこの爆破事件の以前から約140万人が国内避難民となっており、新たな避難民の発生は避難民自身だけでなく、受け入れコミュニティにも負担を増加させています。

治安改善の見通しが立たない中、IOMはイラク中部を中心に緊急人道支援を実施しています。IOMは水や食糧、その他の生活物資の配給のみならず、飲料水の供給、保健、教育などの生活に不可欠な基礎的なコミュニティサービスの復旧支援活動を行います。支援の持続性も考慮し、避難民世帯の生計手段の回復を目指した職業訓練も実施します。

IOMはこういった支援活動と同時に、国内避難民の動きやニーズについて常にモニタリングを行い、将来の支援活動に向けた準備を行っています。

多くの国内避難民は、宗派の違いにより脅しや暴力を受けて住み慣れたコミュニティを離れ、困難な生活を送っています。失業者が多いだけでなく、住居の設備も充分でないケースが多くあります。例えばバグダッドに隣接するディヤーラ県で暮らす国内避難民の場合、調査対象の約2割の世帯しか公的配給システムを通じた定期的な食糧配給を受けていないといいます。また62%が高価格や供給不足のため、燃料を全く調達できない状況です。
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IOMは2006年2月以来同年末までに、3万世帯以上を支援しました。今後も日本の支援で国内避難民への支援を継続します。

IOMによる国内避難民の調査

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IOMは2006年終わりに、イラク中部・南部の15県で国内避難民の調査を行いました。報告書は以下のIOMイラク事務所ウェブサイトでダウンロードできます。

◆県ごとの報告(15県分)
IOM IDP POST February 22 2006 MONITORING REPORTS→
◆イラク全体
Iraq Displacement 2006 Year in Review→


人間の安全保障及び安定化支援

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IOMは日本政府の資金を受け、イラク社会の安定化に向けて、コミュニティベースで退役軍人や民兵の社会復帰を支援します。中部・南部を対象に、退役軍人や民兵が暮らすコミュニティでカウンセリングを行い、地域社会へ復帰のためのニーズを確認し、職業訓練、起業支援、農業への復帰支援などを提供します。

イラクでは失業率が5割から7割にも達しています。就業を支援して失業者が非合法な活動に身を投じるのを防ぐことは、イラクで最大の懸念である治安の改善にもつながる活動です。

個人に対する支援だけでなく、コミュニティへの支援や、地元政府に対する支援、労働省等と協力した職業案内などのデータベース構築も行います。

南部の国境管理に対する支援

治安の悪化により経験のある多くの職員が辞職したことなどから、移住管理に関する現在のイラク政府のキャパシティは充分でありません。移住管理の能力強化は、不法な人の流れや武器や麻薬などの物資の流れを防止するために不可欠な活動です。IOMは、イランなどと国境を接するイラク南部の国境管理に携わるイラク政府関係機関(内務省、財務省、保健省、貿易省、運輸省等)の能力強化を通じて、イラク南部国境の統合的管理の強化を目指します。

具体的には、以下の4つの活動を実施します。
  • 人材育成
    移住関連業務に携わる政府機関職員に言語やIT関連技術などの訓練を実施するトレーニングセンターの設置を支援します。
  • データ管理
    移住管理に関する情報システムの集約、及び電子化を図ります。そのための研究センター設置を支援します。
  • インフラの整備
    車両や機材などの供与を通じて、不足するインフラを整備し、実効的な国境管理を行えるようにします。同時に機材の使用訓練も実施します。
  • 国境管理の枠組み作り
    法律家等の専門家を配置して、効率的な移住や出入国管理が行えるように包括的な法体系の整備などの技術支援を行います。

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その他の人道復興支援 − 患者の移送・イラク人によるイラク再生

2007年もイラク人専門家の派遣を継続し、イラクの復興に貢献します © IOM 2007

IOMはイラクにおいて、上記の日本の支援による活動の他に、高度な医療を必要とする患者を治療のために隣国へ移送する活動(2003年以来300人を支援)や、「イラク人によるイラク再生プログラム」(Iraqis Rebuilding Iraq -IRI)などを実施しています。

IRIはイラク政府と国連開発計画(UNDP)と協力して実施しているもので、イラク国外で生活する医師やIT技術者などのイラク人専門家を募り、3ヵ月から1年イラク社会の復興のために専門技術を生かして働いてもらう仕組みです。2005年の開始から2006年末までに48人の専門家(うち女性8人)がイラクへの赴任を終えました。