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■アフリカ平和の構築(大湖地域・ソマリア・スーダン)−ニュース 2008年3月■
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平和の構築
- 「人の移動」からのアプローチ -
IOMはこのほど日本政府から1,100万ドルの支援を受け、人の移動の観点から、国境管理や国内避難民の帰還支援などのアフリカにおける平和構築の活動を実施します。この日本からの援助により、2008年5月に開催されるアフリカ開発会議(TICAD IV)を前に、アフリカにおける特に重要な活動拠点(大湖地域・ソマリア・スーダン)で、地域の安定に貢献する活動が可能となります。
国境管理強化支援
©IOM 2008
大湖地域 コンゴ民主共和国・タンザニア・ブルンジ・ルワンダ - Great Lake Region
タンザニア・モシ
地域入国管理研究所。移住管理研修の拠点となる ©IOM 2008
コンゴ民主共和国(DRC)とタンザニア北西部、ブルンジ、ルワンダの国境地帯への支援は、未だ多数の難民・国内避難民を抱える大湖地域の安定にとって重要な鍵を握っています。DRCやブルンジへの難民の帰還が進む中で、IOMは犯罪者や武器・麻薬など不法な人と物の流れに対処する地域の国境管理強化を支援し、大湖地域の安定化の兆しを逆行させないよう手助けをします。
DRCでは、警察の国境管理部門を北キブ州、及び南キブ州において研修の提供や調査活動、関係施設の整備などを通じて支援し、現在人員が不足している国境への警察の配備を進めます。
2007年に新たに東アフリカ共同体(EAC)に加盟したルワンダ・ブルンジと、タンザニア北西部との間では不正規移住の問題が深刻で、法整備を始め、渡航書類や情報の管理などの実務の改善、国境におけるチェックポイントのインフラなどを支援します。
また、EAC諸国により支援されているタンザニアのモシ研修センターを拠点に、地域のニーズに合った研修カリキュラムや教材の作成を支援し、地域4カ国の国境・移住管理関係機関の職員を対象とした合同研修などを実施することで地域の情報共有と連携を促進します。
政府や国連などの関係機関だけでなく、同地域で税関の支援事業を行っているJICAとも連携し、これまでに開発した教材や経験の共有など特に研修に関して協力を進めます。
ソマリア - ケニアとの国境管理・人身取引対策 - Somalia
ソマリアには暫定連邦政府が存在するものの、1991年に内戦が勃発して以来統一政府が存在せず、近年は適切な移住管理がほとんど行われていません。そのため、テロリストや国際犯罪集団の温床となっており、同国や周辺国の不安定な治安の原因ともなってきました。ソマリアと682kmの国境線を共有するケニアは、安全上の懸念から、2007年1月以来ソマリアとの国境を閉鎖する措置を採っています。しかし、国境周辺の両国にまたがるコミュニティは密接なつながりを持ち、地域の商業や子どもたちの就学に深刻な影響をもたらしています。また、庇護を必要としている人々への適切な支援が困難な状況です。他方で、国境が閉鎖されても適切な移住管理がない限り、犯罪者やテロリストなどの不正な人の流れは続いており、密貿易、人身取引なども横行しています。
IOMはソマリア中南部暫定連邦政府とケニア政府双方の移住管理能力の向上を目標に、入国管理関係職員への研修や国境チェックポイント・関連施設の整備を行います。併せて、特に国境管理に携わる政府機関職員、市民団体などの間で、人身取引に関する意識を高める活動を行い、ひいては地域全体の治安の改善を目指します。
スーダン 南部への国内避難民の帰還を支援 - Sudan
南部への帰還途中で子どもに経口保水塩を与えるIOM医療スタッフ ©IOM 2007-MSD0222
IOMは2005年の包括和平合意締結の後に国内避難民の帰還が本格化した2006年以来、日本政府を始めとした援助により、国内避難民の帰還支援を継続してきました。2007年2月から8月にかけて、IOMが国民統一政府(GoNU)、南部自治政府(GoSS)、及び国連スーダンミッション(UNMIS) と協力して実施している共同帰還計画は、国内避難民5万人の南部への帰還を支援しました。
帰還先のスーダン南部はインフラがほとんど整っておらず、帰還には危険が伴います。IOMは組織的帰還を通じ、希望帰還先の安全や受け入れキャパシティが確認された国内避難民について、登録、健康診断、陸路・水路・空路での移送、帰還先での受け入れなどの支援を最大5,500人に継続します。途中で立ち往生した最大1,000人への緊急支援も行いますが、特に川を上って帰還する人々に注意を払っています。衛生状態の悪い船や定員を超えた乗客を乗せて運行する船が多いことから、IOMは2隻の船を用意し安全な運行で国内避難民を移送します。
南部への国内避難民の移送。雨季が始まるとすぐに道が寸断される
© IOM 2007 - MSD0225 (Photo: Mario Samaja)
ナイル川を上る船による帰還支援
©IIngeborg Zorn / IOM 2007<
帰還途中の一時滞在所にて ©IOM 2008-MSD0217
組織的帰還だけでなく自発的に帰還する人々も支援するため、IOMは3ヵ所の出発センターと主な帰還ルート上に10ヵ所の一時滞在所を設置し、水や医療サービス、安全な宿泊場所などを提供しています。今後もこうした支援拠点のネットワークを拡充する予定です。
スーダン人専門家の帰還支援
IOMは上記の支援と並行して、国内避難民や難民、海外に暮らすスーダン人のうち、医療・教育などの分野で専門技能を持つ人たちの帰還を支援して、公共サービスの充実を支援します。スーダン南部では基本的な社会サービスの供給体制が整っておらず、保健分野では必要な人材の1/4、教育では25,000人の教師が必要なところ15,000人しかいません。今後南部で復興と開発が進む中で、技能を持つ人材はますます必要とされています。IOMは専門技能を持つスーダン人の登録、南部受け入れ先の選定、実際の帰還支援、必要な研修機会や機材の提供などを行います。
2006年の事業開始以来2008年2月までに、186人の専門家(男性131人、女性55人)とその家族485人が、このプログラムを通してスーダンに帰還しました。多くが教師や医療従事者(看護師や助産師)でしたが、中にはエンジニアや会計士などもいました。
日本政府の支援により、更に200名以上の専門家の帰還を目標にしており、南部で職業訓練センターを運営するJICAとの連携も計画しています。
南部で家族と再会する帰還民
IOMの車両で故郷へ帰還
©IOM 2007-MSD0226
帰還先コミュニティのインフラ支援
人材だけでなく、多くの帰還民を受け入れる帰還先のインフラ不足も深刻です。特に帰還の影響が大きいと思われる、北バハル・アルガザール州・ユニティ州・ワラブ州の村々において、圧倒的なニーズのある井戸掘削や給水システムの整備など水衛生の分野や、学校の建築や修復、職業訓練を通じた教育分野などで活動し、22,000人を支援する計画です。