■スーダンニュースVol.1 2005年9月30日■

内戦が続いたスーダンには600万人の国内避難民がいるとされ、少なくとも400万人が21年に亘った南部での紛争による避難民です。

2005年1月の包括和平合意を受けて、雨期明けに近く国内避難民の南部への自発的な帰還が本格化します。IOMは、日本政府などの支援を受けて、帰還ルート上の支援センターの設置や移送支援などの活動を進めています。

南部への帰還について日本の支援決定

スーダン 国内避難民への移送支援
©IOM 2005

ダルフール支援と南部への帰還支援

2004年10月には日本政府から200万ドルの緊急支援を受けて、西部ダルフールの国内避難民に対し、登録、キャンプ運営、より安全で環境が整ったキャンプへの移転、仮設住居・生活必需品の提供や保健衛生分野などの基本ニーズへの対応や、自立支援などの包括的な援助活動を行っています。
さらに2005年9月には、南部への帰還支援に対し、日本政府から約460万ドルの支援を受けました。

スーダン南部への国内避難民の帰還支援

帰還民支援センターの設置

国連ワークプランの枠組みで、主な帰還ルートの通過点計48ヵ所に帰還民支援センター、“Way Station”が設置されますが、そのうち22ヵ所の運営をIOMが担当する予定です。支援センターの主な機能は、帰還民の宿泊施設、蚊帳や衛生用品など支援物資の保管・配布、帰還民登録、緊急医療サービスなどです。並行して、特に困難な状況にある国内避難民に対する緊急移送支援も実施します。
今年12月末までに設置予定の主要“Way Station” は23ヵ所あり、IOMはスーダン中南部の7箇所を担当します(下記地図参照)。そのうち、日本政府の支援を受けて、特に大多数の帰還民が通過することが予想される北バハル・アルガザール州、西コルドファン州、南コルドファン州における3カ所の設置を急ぎます。
帰還ルートと帰還民支援センター

国内避難民に対する地雷回避教育
©IOM 2005

国内避難民への情報の提供


多くの国内避難民が帰還を検討している中、安心して帰還するために、彼らは帰還先の状況などの情報を必要としています。IOMは、ハルツーム地区のキャンプで避難生活を送る国内避難民を対象に、情報センター12カ所を開設しました。

センターは4つのキャンプに3カ所ずつ設置され、スーダン南部への帰還に関して、利用可能な交通やHIVエイズなどの保健衛生についての最新の情報を提供しています。情報は国連機関より、英語、アラビア語などで定期的に提供されており、地雷回避教育の教材も国連地雷対策サービス部(UNMAS)より提供されました。
センターは避難民と人道支援団体との対話の場も提供しており、避難民のリーダーからも歓迎されています。センターには一日8時間、週5日、国内避難民の代表を含むIOMの指導を受けたスタッフが置かれています。
また、ヌバ山地区に帰還予定の避難民の代表者を送って、現地で暮らす人々との情報交換の場を提供し、具体的に帰還を検討する手助けをしています。

国内避難民の自主的帰還を支援 - 400kmの移動に同行 -

IOMは、西エクアトリア州マビアキャンプから、約400km離れたスーダン南西の西バハル・アルカザール州の故郷に帰還する国内避難民約3,600人を支援しました。彼らは、スーダン政府軍が彼らの居住地域を支配下においた4年前から、避難生活を送っていましたが、南部自治政府への南スーダンの編入を機に、4月半ばに自発的に帰還を決めたものです。2005年8月前半に、西バハル・アルカザール州Deim Zubeir近くに設置されたBileのキャンプに到着しましたが、残念ながら途中事故などで43人が亡くなりました。
このような緊急事態に対応して、5月に入ってから4名のIOM職員が国内避難民の同行を開始しました。避難民のリーダーと連携し、障害を持つ人や妊娠中の女性、高齢者を優先して移送したり、医療サービスの提供したりといった支援を実施しました。IOMは道中、下痢やマラリアなどになった避難民を3,500回診察しました。また、移動中に34回の出産がありました。
故郷に到着した国内避難民は家族や友人と再会し、喜び、安心していました。国内避難民は数ヶ月、国連機関やNGOが運営するBileキャンプに滞在し、食糧や種子、農機具の提供を受けたあと、以前の自分の家に戻ります。
帰還は当初1カ月程度と予想されていましたが、実際には3カ月半以上が必要でした。帰還ルートには地雷が埋設されており、危険を避けて森や沼地などの悪路の通過を余儀なくされ、激しい雨により途中何度も足止めをされました。それでも女性と子どもたちは1日約20kmを歩きました。
この支援は、国連人道問題調整事務所(OCHA)や国連世界食糧計画(WFP)との連携で実施されたものです。
スーダン 国内避難民の移動
途中何度も足止めされる ©IOM 2005
スーダン 国内避難民キャンプ
©IOM 2005


スーダン北部とヌバ山で国内避難民の実態調査を実施

IOMは、2005年3月20日から6月20日にかけて、スーダン政府の人道援助委員会(HAC)やUNHCR、 UNICEF、OCHAなどの国連機関と提携して、スーダンにおける国内避難民の実態調査を実施しました。ハルツ−ム近郊を含むスーダン北部やヌバ山地区など54箇所に居住する国内避難民約290万人の中から44,238人(7,020家族)を対象に、将来的な帰還計画や支援ニーズなどに関するアセスメントが行われました。


≫調査報告書(英文)のPDF版は以下からダウンロードできます
  IOMスーダン国内避難民調査2005年6月vol.1
  IOMスーダン国内避難民調査2005年6月(図表統計)vol.2



ダルフールにおける国内避難民への支援

スーダン 日本政府の支援による
国内避難民への援助物資配布 ©IOM 2005

スーダン西部のダルフール地域では、2003年頃より激化した紛争により、難民のみならず200万人ともいわれる国内避難民が発生しています。
IOMはダルフールにおいても、登録とキャンプ・居住地運営を中心とする緊急支援を実施しています。
2004年10月には日本政府から200万ドルの緊急支援を受けて、西部ダルフールの国内避難民に対し、登録、キャンプ運営、より安全で環境が整ったキャンプへの移転、仮設住居・生活必需品の提供や保健衛生分野などの基本ニーズへの対応や、自立支援などの包括的な援助活動を行っています。

自主的な帰還をモニタリング

2004年8月に結ばれた、IOM、国連、スーダン政府間の合意に基づき、国内避難民の帰還が自主的にかつ適切に進むように、IOMはダルフールの各事務所に「検証・監視チーム」を設置しています。政府と協力しながら、国内避難民への聞き取り調査などを通じて、彼らのニーズを把握するとともに、動向をモニターしています。

生活物資の配布・キャンプ運営

2005年8月までに、国内避難民に対し、毛布・調理鍋・給水ポリタンクなどのセットを10,000組、マラリア予防のための蚊帳を25,000張、ビニールシート25,000枚、テント1,000張などの生活必需品を提供しました。
IOMはOCHAとの連携のもと、北ダルフールと南ダルフールにおけるキャンプ運営も行っています。最近では、混雑したカルマ・キャンプ(ニャラ近郊)やアブシューク・キャンプからの移転を支援すると同時に、トイレの設置や生活物資の配布を行っています。低地にあるカルマ・キャンプでは、雨季のため近くにできた川による洪水の恐れがあるため堤防の建設を行い、併せて道路の建設も行いました。