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IOMはMTV EXITキャンペーンに協力しています。
人身取引(トラフィッキング)対策は、移民の性的搾取や強制労働など深刻な人権侵害に立ち向かう重要な活動です。 アジア地域では1995年の北京女性会議を契機に、メコン川流域国などでの活動が本格化しました。
人身取引(トラフィッキング)とは
「人身取引」(トラフィッキング)とは、何らかの強制的な手段で、弱い立場にある人々を別の国や場所に移動させ、搾取することを言います。
一般的に、送り出す国は貧しく、受け入れ国は比較的裕福な国の場合がほとんどです。第三国を経由する場合や国内で取引される場合もあり、世界のほとんどの国が人身取引のプロセスの一部になっていると考えられています。
多くの場合非合法的なルートを通じて行われるため、正確な数字は分かりませんが、世界中で毎年60万〜80万人が国境を越えた人身取引の犠牲となっていると言われています。そのうち80%が女性、50%が子どもと言われています(U.S. Department of State,
Trafficking in Persons Report 2005
より)。
南アフリカにおけるIOM人身取引対策キャンペーンポスター
人身取引というと、性的搾取のために若い女性や子どもが国際的に取引されることが一般的にイメージされますが、 実際には男性や大人が、強制労働や物乞い、臓器摘出のために犠牲となる場合も見られます。
人身取引には、多くの場合国際的犯罪組織や暴力団などが関与していると考えられており、人身取引は武器取引と麻薬取引に次いで三番目に 大きな資金源とされています。毎年数兆円の利益を上げていると言われます。
アジアは人身取引が頻発している地域の一つで、毎年約数十万人が被害に遭っていると推定されています。 アジアの経済大国である日本は、主要な人身取引の目的国(受け入れ国)の一つです。
個別の活動の詳細はこちら→
人身取引についての各種資料→
出版物・資料
人身取引(トラフィッキング)の定義
『国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(人身取引議定書)』 では、人身取引を以下のように定義しています。IOMもこの定義を採用しています。
「“人身取引”とは、搾取の目的で、暴力その他の形態の強制力による脅迫若しくはその行使、誘拐、詐欺、欺もう、権力の濫用若しくはぜい弱な立場に乗ずること又は他の者を支配下に置く者の同意を得る目的で行われる金銭若しくは利益の授受の手段を用いて、人を獲得し、輸送し、引渡し、蔵匿し、又は収受することをいう。搾取には、少なくとも、他の者を売春させて搾取することその他の形態の性的搾取、強制的な労働若しくは役務の提供、奴隷化若しくはこれに類する行為、隷属又は臓器の摘出を含める。」
(同議定書第3条(a))
IOMの人身取引対策
IOMの人身取引対策は、以下の3つの分野に大別されます。
・防止
・被害者の保護
・加害者の訴追
具体的には、以下のような取り組みをしています。
日本における人身取引対策
日本国内における人身取引の全体像は必ずしも明らかではなく、詳しい実態調査が急務です。これまでのケースから、日本は主にフィリピンやタイ、コロンビア、東欧諸国、CIS諸国などから連れて来られた人身取引被害者の目的地になっていることが分かっています。
日本はつい最近まで、国内に人身取引を包括的・専門的に扱う法令や行政組織がないことなどから、国内外から厳しい批判を受けていました。しかし、2004年から目覚ましい改善が見られています。「人身取引に関する関係省庁会議」の設置や、「人身取引対策行動計画」の策定などはその一例です。この「行動計画」の一環として、IOMが日本国内で保護された被害者の自主的帰国支援を2005年度から実施しています。
IOM人身取引対策キャンペーンステッカー
日本の人身取引対策支援
日本は、海外における人身取引対策も、積極的に支援しています。例えば、2004年末に発生したスマトラ沖地震と津波の被災者救援費用として、日本政府はIOMに対して総額2500万ドル(約25憶円)の資金提供を行いましたが、そのうち50万ドル(約5000万円)は、IOMがインドネシアとスリランカで行っている人身取引対策に充てられています。これらの資金は、特に避難民や孤児となった子ども達が人身取引の被害に遭わないための様々な防止策に役立てられています。
また、IOMが事務局となっている「バリ・プロセス」(密入国・人身取引及び国境を越える犯罪に関する地域閣僚会議フォローアップ・プロセス)のウェブサイト
http://www.baliprocess.net/
も、日本政府の継続的な支援により運営を続けています。
カンボジア・バッタンバン州 日本政府の支援で、子どもたちを対象とした人身取引防止のための啓発活動を学校で実施
今後の課題
人身取引の撲滅には、包括的な中・長期的アプローチが不可欠です。日本などの目的国においては、被害者の保護を促進すると共に、被害者が提供する「サービス」に対する国内需要を減らす努力も必要です。出身国においても、貧困削減や教育・雇用機会の増加、男女差別をなくすなどの根本的要因に取り組むことが大切です。特にアジアの先進国である日本に対する期待は、今後ますます高まるでしょう。
スリランカ津波被災者支援の一環としてシンハリ語で人身取引の危険について説明したパンフレット
個別の活動の詳細はこちら→