■スマトラ沖地震及び津波被災者支援ニュースNo.18 2005年6月21日■

国際移住機関(IOM)はスマトラ沖地震及び津波の被災者支援として、インドネシアとスリランカ両政府の要請に応えて、災害の直後から迅速に支援活動を展開しています。
日本国政府などの資金提供を受け、 援助物資の輸送・配布、仮設住居の提供、被災者の登録、人身取引(トラフィッキング)対策、医療支援 の分野で活動しています。特に被災により心身両面に大きな痛手を負った子どもたちを始めとする、社会的弱者への支援を重視しています。
他のドナー国の追加支援を受けて、3月28日に新たにスマトラ島西岸沖で発生した大地震にも対応しています。


インドネシアでの活動

IOMはインドネシアのスマトラ島北部(主にアチェ州)において、援助物資の輸送・配布、医療支援、心のケア、仮設住居建設、人身取引(トラフィッキング)対策を引き続き実施しています。

仮設住居・学校の建設


アチェにおける津波被災者のためのIOMの仮設住居建設事業は、パーツの生産、輸送、建設の各過程で、現在4,500人の地元の人々が関わっています。
IOMはすでにアチェに拠点をおく10社と契約しており、今後新たに6社と契約を結ぶ。IOMは、インドネシア政府の要請により、アチェ州における11,000軒の仮設住居の建設を進めており、完成した住居から順次引き渡しを行っています。近くティンカム村で、32軒の引き渡しが行われます。6月下旬には、他の建設地でも住居が完成する見込みです。
また、IOMは最大1,000軒の公務員用住居の建設も進めています。

診療所の建設


IOMは診療所を建設予定のアチェ州55カ所全てにおける調査を完了しました。すでに2カ所が稼働しており、22カ所で建設が進んでいます。
コミュニティ再生への努力として、IOMが仮設住居を建設しているバンダアチェ北西のサイトでも、6月7日に併行して診療所の建設が始まりました。仮設住居の住人となる220世帯以上が利用します。
その他IOMは、アチェにおいて、UNICEFとの協力のもと40,000人の生徒が学ぶ仮校舎の建設を行っています。
インドネシア
診療所の建設 ©IOM 2005

インドネシア
ボールを受け取って喜ぶ子どもたち ©IOM 2005

人身取引対策


6月前半に、これまでの活動に引き続き、479着の制服を中学生や高校生に配布しました。また、アチェベサール県、ビルン県の小学校に、サッカーボールやバレーボール、靴などのスポーツ用品を配布しました。
人身取引対策としての生計手段回復支援は、刺繍、縫製、パン作りなどの教室を提供し、これまでに約140人の女性を対象としてきました。バンダアチェ、ピディー県、アチェベサル県の12の村でも調査が完了したことを受け、IOMは同様の活動をより多くの人々を対象に実施する予定です。

ニアス島への患者帰還が近く完了 −ニアス島・シムルエ島における支援活動−


IOMは、スマトラ島西岸沖のニアス島とシムルエ島に大きな被害をもたらした、3月28日発生の地震に対応した活動も実施しています。
 地震発生から約2カ月間、IOMはスマトラ島メダンで治療を受けていた患者427名とその家族のニアス島への帰還を支援しました。6月7日、29人の患者と、その家族を乗せた最後のチャーター機がメダンを飛びたちました。まだスマトラ島で治療を続けている患者は、回復次第、国連と協力してニアス島へ送り届けます。IOMはまた、ニアス島沖で支援活動に当たっていた米国海軍病院船Mercy内や、ニアス島の中心であるグンシトリで治療を受けていた患者144名の帰還も支援しました。
その他の活動として、スマトラ島で避難生活を送るニアス島の人々約1,800人の登録を完了しました。同時に、UNICEFなどと協力し、フェリーなどでニアス島の故郷への帰還を支援しています。ニアス島とシムルエ島の破壊された市場における店舗の建築事業も進んでいます。両島の住人に対し、災害への備えや災害後の対応についての研修の実施や、ポスターやパンフレットの配布も行っています。
インドネシア
メダンからニアス島への患者の帰還
IOMによるチャーター便の機内

スリランカでの活動

IOMはスリランカにおいて、東部と南部を中心に被災者支援を行っています。仮設住居の提供、援助物資の輸送や配布、人身取引(トラフィッキング)対策を中心に活動しています。

生計手段の回復支援


6月中旬現在、トリンコマリー、アンパラ、バティカロア、マタラの各県の被災者キャンプを中心に、225名を支援しています。地域の需要にきめ細かく応えるべく、米・野菜の栽培、やぎの飼育、縫製、小売業など、20以上の業種について支援を行っています。事業のモニタリングと同時に、活動を広げる可能性を視野に入れ、地元のNGOとの対話も行っています。
カルタラ県でも活動を開始し、まずはIOMが支援するキャンプや緊急的に設置された仮設住居の住人に対して調査を行っています。
IOMは生計手段の回復支援を通じて、これまでにスリランカ全体で1,008世帯を支援しました。その半数以上は、人身取引対策の一環として日本政府からの資金で支援されています。

援助物資の輸送


IOMは、津波被害発生から継続して、IOMが使用する物資だけでなく、国際機関、政府機関、NGOなどが使用する援助物資の輸送を行っています。現在、10d搭載可能な車両83台を配備しています。6月前半だけで、他機関の物資を101回輸送しました。
ジャフナ県における女性支援の事業実施契約を結んでいる日本のNGO、アジア太平洋資料センター(PARC)に対しては、4台の車両を使用し、漁船8艘を届けました。