国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版2005年12月1日@

◆第90回IOM総会を開催 ― 移住に関する政策の一貫性に向けて◆

©IOM 2005


一国内や多国間での移住政策の一貫性を高めなければ、絶え間なく変化が続く世界的な労働市場や開発のニーズに応えられない。また、富める国と貧しい国との格差が拡大し、グローバル化した世界の一体化はますます遠いものとなる。――

第90回目となるIOMの総会が、11月29日からジュネーブで開かれています。116の加盟国が参加し、「移住に関する政策の一貫性に向けて」というテーマで活発な論議が繰り広げられました。

世界銀行や国際連合などからゲスト・スピーカーを迎え、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙のフィリップ・ボウリング氏がコメンテーターを務めました。

30日には、2005年の国際的な移住に関わる主な成果を振り返るセッションが持たれ、インドネシア政府、中国政府からの代表と、国際的移住問題に関する世界委員会(GCIM)共同議長ジャン・カールソン氏、国連移住労働者権利委員会議長プラサド・カリヤワサム氏が参加しました。

移住問題は、貿易、労働、安全保障、保健、社会保障、人道支援や開発など様々な分野にまたがっていますが、異なる分野の政策がお互いに悪影響を与えることを避けるための政治的な連携は必ずしも取られていません。一国内だけでなく、地域レベルや国際レベルでも、政策間の調整や一貫性を高めることが必要です。

環境問題が国レベルや世界レベルでの政策に盛り込まれるようになったのと同様に、移住問題も貿易、保健、安全保障、人権、開発など幅広い分野の政策との関連で検討していくことが求められます。

世界銀行によれば、先進国における出生率の低下が続き、2010年までには世界の労働人口のうち86%が途上国の出身となると予想されています。

ジャーベ・アパブIOM移住政策調査局長は総会に先立ち、「国際的なレベルでは、移住管理の必要性は認識されています。しかし、労働移住の問題などでは、意見の一致がみられていません。国境を越える労働者や専門家に対する需要と供給のバランスが、将来的に重要な課題となることが予想されます。また、人口、市場の動き、社会統合、文化的なアイデンティティの問題にも取り組まなければなりません。」と述べました。

ブランソン・マッキンレーIOM事務局長はまた、「関係者全てが協力して、共通のアプローチで移住政策の一貫性を目指す必要があります。そうすることで、移住は真の可能性を発揮するのです。」と語りました。

移民による社会への貢献や、技術の流通は、特に開発を促進する移住の役割として認識されています。今回の総会における移住と開発への政策アプローチについての討議内容を踏まえて、IOMは、2006年の国連総会で開催が予定されている移住と開発についてのハイレベル会合に向けて提言を続けます。

全ての会議資料はIOM本部ウェブサイト(英文)からダウンロード可能です。


エクアドル
スペインへの労働移住が決まったエクアドルの人々への支援 ©IOM 2002 - MEC0003

◆移住問題に対する企業経営者の提言グループが発足 日本からは東芝が参加◆

第90回IOM総会に合わせて、民間セクターとの活発で効果的なパートナーシップ構築を目指した、移住問題に対する企業経営者の提言グループ(Business Advisory Board)が発足しました。

国際的な企業の役員など、14カ国からのビジネスリーダー14人で構成されています。日本からは株式会社東芝より、岡村正 取締役会長が加わりました。第1回会合には、島上清明 同社常任顧問が出席しました。

各国のビジネスリーダーと、移住とビジネスの世界的な問題について意見交換を行うと同時に、移住問題に取り組むために民間セクターとIOMがどのように協力していくかを話し合いました。今後も引き続き、年一回以上会合を開く予定です。

民間セクターは政策や経済開発に多大な影響力を持っており、移住問題だけを取り上げても、企業の社会的責任が重要であることは広く理解されてきています。IOMはこの提言グループを通じて、国際的な移住問題に対する民間セクターの視点からの意見を取り入れ、よりニーズに即した活動に結びつけたいと考えています。

特に、世界的な労働市場のトレンド分析、労働者の待遇、移住先での社会統合、本国への送金の社会経済的な影響について話し合う予定です。

送金は移住による経済的な効果の重要な指標です。世界銀行の「世界経済見通し2006」によると、2005年に公式に記録された海外送金額は2,320億ドルを超えていますが、このうち途上国が受け取ったのは1,670億ドルです。これは、世界全体の開発援助総額の2倍を超えるものです。

IOMはコロンビア、ハンガリー、インドなどで、民間セクターと協力しての事業を実施していますが、この提言グループは初めての政策面での民間とのパートナーシップとなります。

========================
お問い合わせは
IOM International Organization for Migration
国際移住機関 駐日事務所  駐日代表 中山暁雄
        お問い合わせ  広報 後藤裕子
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-1-12虎ノ門ビル8階
  Tel: 03 3595 2487  Fax: 03 3595 2497
========================