国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2006年7月7日

◆東ティモール 国内避難民支援に日本政府が緊急無償資金協力を決定◆

日本政府は7月7日、東ティモールにおける国内避難民支援のため、IOMに100万米ドルの緊急無償資金協力を決定した。これを受けてIOMは、援助物資の輸送などの支援活動を拡充する。

先週発生したディリ周辺でのデモ、暴力、国内避難民キャンプへの襲撃などの後、IOMは6月30日、5,000人以上が避難するディリ、グレノ、ヘラ、バウカウのキャンプで政府米の配布を再開。7月1日には、ディリ東方20kmの漁村ヘラのポルト・マリーナ・キャンプで、およそ8トンの米を2,000人以上に配布。IOMは、同キャンプの調整業務を担当することとなった。


治安は依然として不安定であり、IOMは先週、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、パートナーNGOのAustCareとRede Feto、および地元のリーダーとの会合を開き、IOMが運営するコモロ空港キャンプでの安全対策について話し合った。キャンプの29区画それぞれの代表者による監視委員会が設置され、オーストラリア軍との話し合いでキャンプの安全基準を策定した。

コモロ空港キャンプでは現在およそ6,000人が避難生活を送っており、運営体制の整備が進んでいる。6月30日、キャンプ内に子どもの遊び場が開設された。今後も2ヵ所設置する予定。

「キャンプでは子どもたちは非常に弱い立場に置かれている。普段の生活に少しでも近い環境を提供することが、心理面で重要だ。」とルイス・ビエイラIOMディリ事務所代表は語った。


遊び場では国連児童基金(UNICEF)が子どもの栄養状態の調査も行う予定。世界食糧計画(WFP)によれば、東ティモール全人口のおよそ40%が慢性的な栄養失調に苦しんでいると見られる。この2ヶ月間の混乱で約15万人が避難生活を余儀なくされている。

東ティモール 
IOMはAustCareとRede Fetoという2つのNGOと協力してコモロ空港の国内避難民キャンプを運営している。
©IOM 2006 (Photo by Angela Sherwood).
東ティモール 
コモロ空港の国内避難民キャンプで、女の子たちが新しい道具で遊んでいる。
© IOM 2006 (Photo by: Angela Sherwood).

◆ロシア連邦 カリーニングラードで拡大する人身取引の被害◆

バルト海に面し、ポーランドとリトアニアに挟まれた東欧のロシア連邦の飛び地、カリーニングラードでIOMが実施した調査により、同地域での深刻な人身取引被害の実態と、被害の拡大を食い止めるために市民社会や公的機関の間で人身取引問題への意識を高める必要性が明らかになった。

カリーニングラードは送り出し、経由、受入等の人身取引のプロセス全てに関わっている。特に未成年の女性が性的搾取や被害者の強制労働を目的として取引されるケースが多い。ポーランド、ドイツ、トルコ、ギリシャなどの欧州連合諸国が主たる目的地。被害者の多くは、貧しい家庭の出身で、家庭内暴力の被害者や、地元の性産業ですでに働いていた者もいる。地元だけでなく、ロシア連邦の他地域、ウクライナ、ベラルーシ、ウズベキスタン、モルドバなど独立国家共同体(CIS)の国々の出身者もいる。

強制労働を目的とした人身取引の被害は、都市や農村を問わず、建設、模造品の製造、家庭内労働など様々な部門で広がっている。強制労働を目的として取引される被害者の多くはCIS出身で、最近では中央アジア出身者もいる。漁業に従事するはずだったカリーニングラード出身の男性が、騙されて強制労働をさせられ、肉体的、精神的な暴力にさらされた例も報告されている。

カリーニングラードはこの数年経済的な発展を遂げたが、人口の18%が貧困層。中等・高等教育を受けた女性が国内で就職をすることが困難なため、海外へ渡る女性の半数が労働を目的としている。

一方で肉体労働に従事する労働者の不足のため、カリーニングラードはロシア国内で最も多くの労働者を受け入れている地域になりつつある。移住労働者の90%が不正規な滞在・労働者で、搾取的な労働環境に置かれる危険が高い。安い移民の労働力を使用する一方で、パスポートを取り上げたり、詐欺や強制的な手段を用いる例が中小企業で明らかになっている。

カリーニングラードでは人身取引について一般にほとんど知られていないため、犯罪者の訴追システムや捜査が充分でない。被害者に対する適切な対応も不足している。調査結果を受けてIOMは、人身取引に対する意識を高めるキャンペーンや、法執行機関、政府職員、労働団体向けの研修の実施などの提案を行った。受け入れ国との情報交換、行動計画の策定、法の整備も重要。

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