国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2006年9月22日

◆北アフリカ 求められる移民の帰還支援◆

IOMが帰国を支援したセネガル人男性
©IOM 2006

カナリア諸島やイタリア領ランペドゥーサ島に大量の不正規移民が流入して注目を集めているが、IOMは移民を北アフリカ地域から主にサハラ以南アフリカ諸国の母国へ帰還させる支援を要請されている。

しかし、資金不足から支援は困難な状況。密入国に関わる犯罪組織に身を預けてでも、海外でのよりよい暮らしを求めて移住を決意したが、結果的に目的地から程遠い場所に放置される移民が後を絶たない。

公的機関への発覚を恐れて、犯罪組織に所持品や身分証明書類を奪われた上、食料、水もほとんどないまま砂漠に放置された移民もいる。現地の人々から食料や水の差し入れを受けてかろうじて生き延びている。

2005年11月以来IOMは、ドイツ、オランダ、スペイン、イギリスからの資金により、モーリタニア、モロッコ等の北アフリカ地域で移民の緊急支援を行っている。これまでに475人の移民が医療と帰国の支援を受けたが、さらに多くの移民が支援を必要としている。モロッコとスペインの不正規移住に対する厳しい取り締まりはモロッコ経由の流出を減少させたが、未だに多くの移民が同地域で立ち往生している。

増加はしていないが一定の割合で不正規移民の流出がある限り、危険な状態で立ち往生している移民に対して、帰還支援等の人道支援が必要。

IOMは先週、モロッコからダカールへ帰還するセネガル人3人を支援した。うち1人は、警察から逃れようとして電車から飛び降り、数ヶ月の入院を余儀なくされた。2005年3月にマリとアルジェリアを経由してモロッコに着いたこの男性は、一年余りスペインへ入国しようとしていたが捕えられ、アルジェリアとの国境地域に送られたが、再びモロッコに戻った。その他の2人は、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、ベナン、アルジェニアを経由し、スペイン領メリリャに入国しようとした際に負傷し9カ月入院した。

IOMは現在、モロッコ政府に捕らえられている15人のマリ人移民の帰国を手配している。これ以降は、追加資金がない限り、移民への支援を継続することができない。

IOMは、モロッコで立ち往生していて母国への帰還を希望するマリ、カメルーン、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、パキスタン出身の移民11人を確認している。加えてIOMは、在モロッコ ギニア共和国大使館よりダフラにいるギニア人17人の支援を要請された。

◆アルゼンチン 人身取引対策を強化◆

IOMはアルゼンチンで人身取引対策の活動を拡大している。被害が増加している中、特に被害者の保護や支援に携わる政府機関やNGO職員の能力向上に力を入れている。

アルゼンチンでの人身取引に関する正確なデータはないが、いくつかの調査によれば、近年人身取引の報告件数が増加している。パラグアイ人被害者のうち52%がアルゼンチンに送られたが、2001年の16人から2004年には236人に増加。また国際児童基金(UNICEF)の報告によると、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイの国境地帯だけで3,500から4,000人の子どもが人身取引による性的搾取の被害に遭っていると推測される。

IOMはトゥクマン、エントレリオス、コルドバ、リオネグロ、ミシオネス、フフイ、チュブト、ブエノスアイレスの各州で人身取引対策活動を行う。2005年には同じ地域で、2,400人の政府、市民団体職員に対して研修と技術支援を提供した。女優のナタリア・オレイロ氏を起用した啓発キャンペーンや、人身取引を処罰する法整備に関してアルゼンチン政府への助言も行う。

ミシオネス、フフイ、トゥクマン、エントレリオスなどの北部の州はアルゼンチンでも最も貧しく、国内での主要な人身取引の送り出し地域。被害者は観光地や石油や漁業がさかんな町へ送られている。アルゼンチンは国際的な人身取引では目的国でもあり、パラグアイ、ドミニカ共和国などから性的搾取を、ボリビア、ペルーからは強制労働を目的とした被害が報告されている。しかし、国内の人身取引の方が規模は大きい。

IOMは、年内にアルゼンチン、チリ、ウルグアイの人身取引に関する調査報告を出版する予定。

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