国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2006年10月6日

◆イラク 求められる定住化する国内避難民への支援◆

©IOM 2006

今年2月後半に起こった中部サマラでの爆破事件以来の混乱により、中部や南部の15州で19万人もの人々が避難生活を余儀なくされている。

IOMはイラク避難民・移民省(MoDM)や現地のパートナーと協力し、国内避難民の状況をモニタリングしている。避難民は定住し始めており、シェルターの提供と雇用の確保が必要である。

「受け入れコミュニティは多くの場合避難民と同様の宗教的バックグラウンドを持っており、受け入れに前向きですが、限られた数のシェルターしかなく、お金を稼ぐ機会を得るのは難しいのです。今年避難民となった人の多くは、以前住んでいた家に帰ろうとは考えていません。人道的危機が長引かないようにするには、水や食糧などの緊急支援と同時に、社会統合や生計手段の回復支援を行う必要があります。」とIOMイラク事務所代表ラフィック・チャネンは語る。

アンバール州は最も多い33,000人以上の避難民を受け入れた。ほとんどがバグダットからの避難民。3分の2近くはファルージャ、カルマ、ヒートに滞在している。15州の動向はシーア派が南に、スン二派が中部に勢力を移動しているのに連動している。避難民の多くは家族や友人と一緒に部屋を借りたり、廃屋に住んだりしている。避難民のうち3%が、MoDMもしくはイラク赤新月社が設置したキャンプに移っていると見られる。

避難民は、生活物資の価格が上昇を続ける中、食糧なども不充分な状況で混雑した場所で暮らしている。需要の増加による家賃の上昇は避難民の生活を困難にし、廃屋に住んでいる人々も、持ち主が現れれば行く当てもなく出て行かなければならない。

水だけでなく食糧やその他の生活物資のニーズも高い。地域によっては、医療サービスや資産に関する法律相談も必要とされている。IOMは米国政府の支援で、影響の大きい州のほとんどに数ヶ月に亘り、食糧や水、その他の物資の配布を行った。カルバラ、サラハディン、タミーム/キルクークでは調査を実施しており、近く援助物資の配布が行われる。

しかし、こういった援助活動のための資金は少なく、混乱の終結や避難民の減少も期待できないため、冬が近づくにつれ避難民の置かれる状況はさらに悪化するだろう。

◆モルドバ 人身取引対策で聖職者と協力◆

IOMによる人身取引啓発ポスター
©IOM 2006

モルドバにおける人身取引の啓発活動の一環として、IOMは聖職者に対する研修を実施した。このプログラムは、ベッサラビア・メトロポリタン教会の社会伝道団「ディアコニア」との協力で、聖職者を通じて人身取引被害者に対する社会の寛容な態度を醸成することを目的としている。2月の開始以来、全国で60人以上の聖職者が研修を受けた。

「以前、私は被害者と思われる人を適切に支援できませんでした。どのように苦痛を和らげたらいいかわからなかったのです。今は相談にのる準備ができていると感じています。」と、研修に参加したベッサラビア・メトロポリタン教会の聖職者イアン・コソリ氏は語った。

研修を受けた聖職者は今後、説教、カウンセリング、祈祷、宗教教育などの際に人身取引について語ることが期待される。聖職者との協力で、助けられた被害者が再び被害に遭う悪循環をなくし、社会復帰を円滑にする。被害者への偏見と差別は、社会復帰の際にしばしば阻害要因となる。

ルーマニアやウクライナでの人身取引対策において聖職者との協力は成功を収めたが、これが聖職者のための研修ガイドの作成につながった。これを学校の課外活動で使用することも可能。

IOMは今後も各宗派との協力を進め、聖職者1,000人以上のプログラムへの参加を見込んでいる。

「教会と協力するのは当然なことです。教会は被害者の心の傷を癒し、人身取引問題への人々の理解を高めています。」とIOMモルドバ代表マーティン・アンドレア・ワイスは語った。

IOMは先週、カトリック修道女30人にブラジルで研修を提供。この3年で、アルバニア、ドミニカ共和国、イタリア、ナイジェリア、ルーマニア、タイ、ウクライナでも1,400人以上の聖職者に研修を実施した。

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