国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2006年12月1日(1)

◆IOM第92回総会 移住に新たな可能性を与えるビジネスと市民社会との協力◆

© IOM. Photo by Thomas Moran

ー 今日のようにグローバル化し多面的な性格を持つ移住パターンに対処するために、経済界や市民社会など非政府アクターとの協力を推進することが政府にとって必要 −
ジュネーブで11月28日より開催している第92回総会を機に、IOMは訴えている。

新たに加わったネパールとモンテネグロ共和国を含めた120の加盟国が総会に参加し、「移住におけるパートナーシップ:ビジネス、市民社会との協力」をテーマに、11月28日から2日間討議を行った。

「グローバル化が進み多国間の交わりがさらに拡大している今日、移民のもたらす経済的・社会的チャンスを無視することはできません。」とブランソン・マッキンレーIOM事務局長は総会を前に語った。「政府、民間セクター、市民社会、そして移民が互いに協力することは、特に移住にまつわる社会経済的な問題、労働に関する問題への具体的な解決策をみつけることに役立ちます。」

IOMは具体的な取り組みとして、他の国際機関との協力のもと、移住のもたらす開発効果の促進を目指す「移住と開発イニシアティブ」(IMDI)を提唱している。

政府と民間セクターのパートナーシップは、労働市場における供給の過不足を特定するのに役立つ。適切な移住の管理政策により、現在及び将来の世界的な労働市場の需要に応えることが可能となる。

こうしたアプローチは、一貫した教育政策・労働政策がもたらす利益にますます依存している経済界、民間セクターの知見と資源を役立てている政府、双方に利する。

市民社会の存在は移住管理政策の発展に不可欠である人道的な視点を与え、移民自身の声を聞くための機会をもたらす。NGO、ディアスポラ団体、宗教コミュニティは、地域・国・国際の各レベルでネットワークを構築しており、政府と移民コミュニティの関係を強化し社会統合プロセスを促進する。

民間セクターと市民社会はまた、安全で透明性の高い低コストの方法を提供することを通じ、移民の出身国への送金が開発に与えるインパクトを増大させるのに重要な役割を担っている。そうすることで、本国との架け橋となる移民コミュニティ「ディアスポラ」の運営する銀行、小規模貸付を行う機関、郵便ネットワーク、信用組合を通して、移民が貯金の一部を開発のために投資するよう促す。

加えて、ディアスポラのコミュニティは移民の専門家が持つ技術を出身国に還元するのを助け、移住による頭脳流出の負の影響を軽減させることができる。

ビジネスと移民ディアスポラによる協力が、移民や出身国、移住先の経済と社会に多面的な利益をもたらす例として、IOMとイタリア政府、イタリア北部モデナの協同組合が支援するプログラムがある。

ガーナ出身の移民により運営されている協同組合Ghana Coopは、ガーナからイタリアにフルーツを輸入し、雇用や電気の供給などを通して出身国コミュニティの開発に利益を還元している。

「私たちは数年のうちに60人以上を雇用し、100ヘクタール以上のガーナのパイナップル農園で働いてもらう予定です。大きな企業は普通このようなことはしません。持続可能性を試す小さな実験のようなものです。」と総会にも出席したGhana Coop代表トーマス・マッカシー氏は語った。

このような協力関係により、市民社会と民間セクターが移民の人権を改善し維持していくことに貢献できる。これは良い移住管理に必要不可欠であり、IOMの「移住問題に対する企業経営者の提言グループ」(Business Advisory Board)も重要性を認めている。

Business Advisory Boardは昨年の総会を機に発足し、民間セクターが移住政策とその実践により良い形で関わるための重要なステップとなっている。株式会社東芝の岡村正 取締役会長など世界のビジネスリーダー17人で構成されている。総会に先立って行われたBusiness Advisory Boardの年次会合には、昨年の第1回会合に続き、東芝より島上清明 同社常任顧問が出席した。


第92回IOM総会の関連文書はこちら(本部ウェブサイト)→



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