国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2007年4月13日

セルビア スイスに住む移民からの送金による貧困削減

IOMの最新の調査によれば、スイスで生活するセルビア人移民の本国送金は、一ヵ月の収入が1,000スイスフラン(約99,000円)以下で、教育レベルが低い地方に暮らす世帯の貧困削減に役立っている。

この調査は、セルビア中部・東部の移民送り出し地域Petrovac na MlaviとCuprijaに住む343世帯を対象に行われた。スイスに住む20万人以上のセルビア人移民コミュニティ(ディアスポラ)の送金は、主に住居の購入、水道光熱費、食費、医療費などの生活費全般の補助、さらには低い割合だが子どもの教育に使われていることが明らかになった。8%の人は、送金の一部を中小の企業に投資したと回答した。

国際通貨基金(IMF)による2004年の推計によれば、セルビアの送金受け取り額は41億ドルでGDPの17.2%を占め、世界11位。スイスからの送金はそのうちの大きな部分を占めるとみられる。

調査対象の9割の世帯が、年平均4,800スイスフランを受け取っており、セルビアにとっての送金の重要性がわかる。さらに、農業用機械、生活用品、携帯電話、テレビ等のモノも受け取っていることが明らかになっている。

送金は世帯収入の40%を占め、多くの場合インフォーマルな方法で一月ごとに送金されている。移民自身や友人、知人による持ち込み、バス運転手のネットワークを利用して送金する。インフォーマルなルートの利用が多いのは、セルビアの金融機関に対する信頼が不足していることと高額な送金手数料などが理由。

フォーマルな形態での送金を増やすには、手数料を下げる必要がある。スイスとセルビアの金融機関との間の新たな協力関係の構築や、銀行を増やして利用者を増やすことが求められる。雇用を創出して若い専門家が国外に流出しないように、中小企業への投資を促進する特別な貯蓄システムの導入が必要。

また、外貨をセルビアの銀行口座に貯蓄することを可能にする新しい銀行政策と金融関連法は、企業への投資を促し、セルビアの貧困地域の生活向上にも結びつく。

スイスにある移民協会から、道路や水道、特別支援学校等の地域のインフラ整備を支援する寄付を促すために、セルビア共和国移民省への支援が求められており、何らかの資金援助が必要とされる。

この調査はスイス連邦経済省経済事務局(SECO)の資金で行われたもので、IOMはスイス移住・人口研究フォーラム(SFM)、欧州復興開発銀行(EBRD)とともに、スイスとセルビア間の移住と送金に関する調査を行った。

※報告書の全文(英文PDF)は以下のページからダウンロード可能です。
"A Study of Migrant-Sending Households in Serbia Recieving Remittances from Switzerland"
 http://www.iom.int/jahia/webdav/shared/shared/mainsite/published_docs/mrs28.pdf

パキスタン 地震被災者キャンプで帰還情報キャンペーンを開始

パキスタン
避難民キャンプでの啓発活動の様子
© IOM 2007

IOMは、政府機関や国連常駐調整官事務所(RC)、世界保健機関(WHO)、ノルウェー難民評議会(NRC)などと協力し、2005年10月の地震による被災者のうち未だにキャンプ生活を送っている3万人に対する帰還情報キャンペーンを開始した。地震は7万5000人の死者と、300万人の被災者を発生させた。

NGOワールド・ビジョンからの支援を受け、IOMが主導する帰還支援チーム(Returns Task Force -RTF)はパンフレット3万枚、帰還民向けQ&A1万冊(8ページ冊子)、ポスター100枚、横断幕100枚を作成した。キャンプで生活する人が故郷に帰還すべきか否かの判断を下す際の助けとなる。ラジオ放送や直接の相談も予定。

今春、少なくともムザファラバードから200世帯、マンセラから40世帯が、故郷かその近隣に帰還した。

キャンプマネージャーと政府によれば、帰還支援は今月から始まり、今夏を通じて続く。

まず、帰還予定の人には近くの移送ポイントまで無料の移送サービスが提供される。2カ月分の食糧や、テントで生活していた被災者には屋根用波形鉄板(CGI)14枚などの帰還用物資が配布される。木材とCGIでできた住居で生活をしていた被災者は、食糧を2ヵ月分提供されると同時にそれらの建材を持ち帰ることができる。

第二フェーズでは、土地を所有しておらず、政府からの援助を更に必要としている被災者を支援する。その次のフェーズでは、極めて困難な状況にあり政府がケース毎に支援する被災者を対象とする。ムザファラバードのキャンプ数ヵ所で避難生活を送る、インド実効支配下カシミールからの難民世帯1,000人以上は別に支援される。

昨春以来、IOMは他の援助機関と協力して政府に対し、避難民の保護や帰還・再定住といった恒久的な解決に向けた、国内避難民支援のガイドライン策定と政策の立案に関する支援を行っている。

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