国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2007年9月14日

■ イラク 最新報告−多くの県で国内避難民の受け入れを制限 ■

イラク 国内避難民の子どもたち © IOM 2007

IOMが発表したイラクにおける国内避難民の緊急的なニーズに関する最新の調査報告によると、現在イラク中南部15県のうち11県が国内避難民の受け入れを厳しく制限している。

北部3県では、その地域の出身、あるいは居住者の支援を受けている国内避難民しか受け入れを認めていない。

これらの制限は主に治安上の理由と、既に資源や受け入れ態勢に過剰な負担を強いられている県が大量の避難民に対応しきれなくなっていることによる。

その結果、多くの国内避難民が基礎的な支援やサービスを受けることが更に困難となり、状況は厳しさを増している。

調査報告によれば、バスラ県では他県と同様に、慢性的に治安が悪いことから避難民の女性たちが保健施設へアクセスできなくなっており、またキルクークではこれまでと同様に慣習が避難民女性たちの自由な移動を妨げている。

アンバール県では、県による公式な規制はされていないものの、部族間衝突が激しくなる中で安全に地域に留まるには、地域の部族と深いつながりを持っている必要がある。

調査報告はイラク全土で国内避難民が発生している理由として、宗派間対立、軍事作戦の過激化、犯罪の増加を共通のものとして挙げている。

これまでの調査が示しているように、ほとんどの避難民は基準を満たしていないシェルターや友人や家族の下で避難生活を送っており、受け入れ地域にとって新たな負担となっている。また放置された建物で生活する者や、一時的にキャンプで生活をする者も少数いる。深刻な治安状況は、イラク全土で子どもたちの通学の機会も奪っている。

「多くの県での避難民の受け入れ制限や、近いうちにシリアとヨルダンで実施される予定のビザ規制強化により、国内に残るイラクの人々は逃げる場所がなくなります。これまでイラクからの避難民を寛容に受け入れてきたシリアとヨルダンが、これからもその姿勢を続けることを期待します。」とラフィク・チャネンIOMイラク事務所代表は言う。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が調整役、IOMが副調整役を務める「難民、国内避難民および恒久的解決」クラスター(国際機関等の支援調整メカニズム)のデータによると、2006年2月22日のサマッラー聖廟爆破事件後、1,011,870人が避難生活を余儀なくされているという。これ以前に発生した約120万人と合わせて、現在までに約220万人の国内避難民がイラクで発生したと推測される。

IOMは2006年2月以来、援助物資の配布などを通じ32万人以上を支援。2003年から集計すると、IOMは500万人に対して緊急の食糧や給水支援、また保健、教育、衛生、所得創出分野で支援を行ってきた。

※ 上記報告書のダウンロードはIOMイラク事務所ウェブサイトから
  IOM Emergency Needs Assessments→


■ イエメン 「アフリカの角」からの不正規移民と庇護希望者への支援 ■

IOMは、アデン湾を渡ってアフリカの角地域からイエメンに流入する移民と庇護希望者を登録するためのデータベース構築を計画している。このデータベースは、移民や庇護希望者への人道支援を行っている国連機関や国際NGO、地方政府と共有される。また、IOMや他の機関による支援を改善し、同時に典型的な移住ルートや出身国における適切な施策を可能にする。

IOMは帰国を希望する移民に対し、カウンセリングや健康診断、そして帰国後の支援も行う予定。

UNHCRによれば、2006年には26,000人の移民や庇護希望者が海を渡ってイエメンに入国した。今年だけで既に385人が海で命を落とし、118人が依然として行方不明となっている。

イエメンへの多くの移住者、特にエチオピアやソマリアからの人々は、航海に耐えられないような小さなボートを利用している。イエメン政府に発見されるのを恐れたブローカーが、イエメンの沿岸付近で人々を無理やりボートから降ろすケースもある。IOMはソマリアでも、不正規移住の危険について知らせる啓発活動を計画している。

IOMがUNHCRと国連人道問題調整事務所(OCHA)との協力で、ソマリアから独立を宣言したプントランドで実施した調査によると、既に数千人がエチオピアの貧しい地方や治安の悪いソマリア南部、中部の出身者がプントランドの商業港であるボサソへと移動している。

IOM が2006年に行った移民への面接調査により、砂漠を移動する際の食糧や水の不足、地元の強盗など、移住に伴うさまざまな危険について認識している人は極僅かであることがわかっている。

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