国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2007年11月2日

■ タジキスタン 移住労働者による本国への送金が支える国の経済 ■

タジキスタン
移住労働者による本国への送金が与える影響についての調査
© IOM 2007
IOMが発表した「移住・送金とタジキスタンの生活水準」と題した新しい報告書によれば、季節的な移住と送金がタジキスタン経済を特徴付けている。

ほとんどがロシアで就労するタジキスタン人移民からの送金は、2004年には5億5000万ドル、2005年には7億3500万ドルと推計されており、現在国内総生産の31%を占める。報告書によれば、ウズベキスタンに次ぎ、タジキスタンはロシアからのフォーマルな経路での送金の受取額が2番目に多い。

報告書では、2005年にはロシアで働く371,000人のタジキスタン出身移民が同国における経済活動を行う人口の17%を占めていたとされる。タジキスタンからロシアへの移住は、ビザなしで可能なこと、旅費が比較的安価なこと、ロシア国内の大きなタジキスタン人コミュニティがロシア語を話さない移民の職探しを助けていることなどの理由で促進されている。

ここ数年ロシアの石油産業において労働力の需要が高まっていることや、ロシアとタジキスタンにおける賃金水準の差が広がっていることも移住の要因となっている

ほとんどが若年層で非熟練労働に従事する移民からの本国送金の86%が、タジキスタンで生活する家族の日常の基本的な消費に使用される。残りは不動産購入や住居の改修、借金の返済などに使われ、ほんの少額しかビジネスへの投資に使用されていない。

人口が密集する南部のハトロン州では、人口の35%が送金に依存している。2005年の移民一人当たりの平均送金額は1,296米ドルだった。8割以上の送金が銀行を通じたフォーマルな経路で行われる。

結果として、1999年以来送金の恩恵を受けた非常に貧しかった世帯の半数以上が、現在では貧困ラインより上にいる。

報告書ではまた、送金とその開発へのインパクトを最大限に生かすため、いくつかの提言がなされている。

送金額を増やすためには、移住労働者を取り巻く法的、社会的環境の改善が必要とされており、特にタジキスタン移民がロシアで支払っている非公式な税金の額を減らすことなど、タジキスタン政府とロシア政府間での協力の必要性が指摘されている。

更に、タジキスタン政府が、送金手数料の減額のために銀行などのサービスプロバイダー間での競争を促すことを求めている。また、ロシアとカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど英語圏の国々へ渡る移民に必要とされるロシア語と英語の教育を、初等・中等レベルで充実させることの重要性を訴えている。

送金を国内の開発に活用していくために、報告書はタジキスタン人の移住労働者が海外で得た資金や経験、また技術を母国に還元するように促す施策が必要だとしている。これらを実現するためにはロシアにいる移民を対象とした金融サービスの説明会の開催や、ラテンアメリカ諸国で地域開発を推進している出身地域組合などの設置が有効だと考えられる。

この報告書は、欧州委員会による資金援助を受けている、中小企業の育成と農村地域での移民世帯組合への支援プロジェクトの一環で作成された。

※上記の報告書(英文PDF)は以下のIOM本部ウェブサイトでダウンロード可能です。

Migration, Remittances, and Living Standards in Tajikistan→

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