国際移住機関(IOM)
プレス・ブリーフィング・ノート日本語版 2009年4月3日

■ 日本・フィリピン 新日系フィリピン人への支援を両国で開始 ■

フィリピン
2009年3月に実施したJFC向けのワークショップで発表する子どもたち © IOM 2009

IOMは、フィリピンにおよそ20万人暮らしていると言われる新日系フィリピン人(JFC-Japanese-Filipino children)の福祉と権利の向上を目指した活動を開始した。

IOMはこの2年間のプロジェクトにトヨタ財団からの助成を受け、新日系フィリピン人の子どもたちが直面する問題への意識啓発を行い、関係機関間の協力を強化する。

多くは日本に暮らしている父親に公式に認知されていないことから、子どもたちは金銭面でも教育面でも精神面でも適切な支援を受けていない。貧困の中で暮らす子どもがいる一方、就学していなかったり、通学できなくなったりした子どもたちも多い。

多くの場合、母親が日本に興行などで働きに来ていたが、母親一人で母国に子どもを連れ帰らざるを得ない状況になったもの。

フィリピンでは一般に、新日系フィリピン人が置かれる状況の深刻さは理解されていない。子どもたちは父親と引き離されて、アイデンティティの確立がしっかりとなされておらず、半分日本人の血を引いていることから差別を受けることもあるという。

IOMはフィリピン内でいくつかのNGOと協力し、新日系フィリピン人のニーズ調査を行い、より詳細な支援計画の策定に生かす。また、日本国内では、JFCネットワーク、日比家族センター、公設国際貢献大学校等との調整が進んでいる。

多くの新日系フィリピン人が暮らす地域数ヵ所で、今年いっぱい地域協議が行われ、その集大成として2009年中にマニラと東京でそれぞれ会議が開催される。

日本の国籍法は、原則日本人と外国人の両親の婚姻のもとに生まれた子女にのみ日本国籍の取得を許していたが、最近、日本人の親の認知があれば子女の日本国籍の取得が可能と改正された。IOMのこうした活動は、この改正に伴う対応を補完する。

フィリピン外務省、海外労働者福祉庁、海外雇用庁、社会福祉開発省、在マニラ日本大使館、日本の外務省・法務省・厚生労働省を始めとした関係諸機関・諸団体のネットワーク作りを支援することで、IOMは新日系フィリピン人への社会経済的、法的な支援の改善を目指す。

プログラムの一環として、18歳以上の新日系フィリピン人の青年に対し少人数ながら、日本への定住・就職の支援を行う。IOMは出発前の支援、日本語研修・職業訓練、到着後のオリエンテーション、生計支援等を提供し、日本での生活に円滑に溶け込めるように支援する。

■ 欧州 移住についての子ども向け教材をUNHCRと開発 ■

このほど欧州で発表された教材“Not Just Numbers”は、欧州連合(EU)域内における移住や庇護を取り巻く主な課題を若者に伝えるために作成された。欧州難民基金2006を通じた欧州委員会の支援のもと、IOMと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との共同で制作したもの。

新しく移住してくる人々への一般の理解を深め、差別や偏見に対処するため、移民や庇護申請者、難民、それぞれが置かれる状況について知識を得てもらうことが目的。

教材の短編映画や教師用の教本を活用することで学習を容易にし、教材となり得るその他の素材も紹介している。

「EUへの移住はしばしば統計上の数字で示されていますが、移住のそれぞれの中身や理由はさまざまであることを若い人たちに知ってほしい。」バーンド・ヘミングウェイIOM欧州地域代表は言う。

対象は12〜18歳で、DVDと教師用の教本は20の欧州言語に対応しており、域内24カ国で使用できる。

※教材は以下のIOM本部ウェブページで閲覧・視聴が可能です。
 http://www.iom.int/jahia/Jahia/media/press-briefing-notes/pbnEU/cache/offonce?entryId=24155

=======================
IOM International Organization for Migration
国際移住機関 駐日事務所 - 駐日代表 中山暁雄
  お問い合わせ  広報 後藤裕子
  Tel: 03 3595 2487  Fax: 03 3595 2497
=======================