南スーダン ワーウの国連文民保護区で緊急シェルターを立てる国内避難民
©IOM / Muse Mohammed
南スーダンでは危機的状況が4年目に突入し、援助の必要性がかつてないほど大きくなっている。およそ750万人がなす術もなく、度重なる避難を余儀なくされ、経済の崩壊に苦しみ、支援を切に必要としている。
2017年を通じ、南スーダンにおいて避難民や紛争の被害を受けた人々の命を救うため、IOMは7,680万ドルの援助を国際社会に要請している。
およそ490万人が深刻な食糧不足に陥っていて、184万人が国内避難民となっており、約120万人が近隣諸国へ避難している。
「危機的状況が以前は比較的安定していた地域にまで広がり、また上ナイル地方で深刻化したため、援助の必要性は2016年よりもさらに差し迫ったものになっています。」とウィリアム・バリガIOM南スーダン代表は言う。「市民が暴力の矢面に立たされており、現状の危機的状況への政治的解決がただちに必要なのです。」
ニーズが高まり深刻化するにつれ、人道支援従事者は、危険な状況と官僚的手続きの壁に阻まれ被害を受けた人々へのアクセスを確保することが一層難しくなっており、最も脆弱な立場におかれた人々に支援を届けるための努力は複雑になり、すでにあるニーズの深刻化にも直面している。
拡大する危機への対応として、IOMの統一アピールでは、キャンプの調整・管理やメンタルヘルスや心のケアに加え、保健、ロジスティクス、住居、水衛生の分野にわたり、最も緊急性の高いニーズに焦点を当てている。
IOMは文民保護区や集会所といった避難場所への支援を続ける。IOMの緊急対応チームは、遠方で治安が悪いことが多い地域への支援を届けるために、粘り強い努力を続けている。
2016年7月の危機が起こる前に達成された開発援助の成果を守り、紛争後の復興のための基礎を作る必要性に留意しながら、IOMは平和構築や開発原則に沿った多面的なプログラムを継続する。IOMの移行・復興・移住管理プログラムは、緊急援助と開発のつながりに配慮しながら、状況が許す地域で人道支援対応全般と並行して、活動を続ける。
IOMは南スーダンで2005年から活動拠点を有しており、独立後の2011年に事務所を設置した。IOMは、2013年12月に紛争が勃発した直後に、緊急事態に対応するために活動内容を見直した。IOM南スーダン事務所は、IOMの中でも最も大きい事務所の一つで、450人の職員が全国で、人道、移行期、復興、移住管理の活動に携わっている。